救難訓練 実施レポート
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平成26年10月5日(日) 10:00〜12:00
  若松埠頭で、函館地区 小安協の救難訓練を実施しました。
  釣りやクルージングなどで海に出た際、海中に転落してしまったときや、
  転落してしまった人を発見したときなどに、人命の安全確保を第一に
  考えた救助対応、その後の状況に応じた蘇生措置を訓練して、もしも
  の事態に備えることを目的とした訓練です。
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訓練の流れとしては、まず開会式を行ってから、
海上保安部の方からの挨拶等があります。

続いて救命用具の説明や、実際に転落した方
を救助する訓練、AEDを使った心肺蘇生法の
訓練を行っていきます。

今回参加した23名を2つの班に分けて、各艇で
転落した方の引き上げ訓練を実施しました。
このとき、参加者全員が救助者の引き上げを体
験できました。
こちらは、転落した方の救助訓練の様子です。

海中に救助者を発見したときは、救命浮環を
投げてあげるのですが、その際は必ず救助者
よりも遠くに投げて
、それから引き寄せるよう
にしましょう。

浮環がないときはペットボトル等でもOKです!
その際はちょっと水を入れたり、中身が入って
いる状態で投げて
あげると、救助者へ正確に
届きます。
☆ワンポイント
   ロープを投げるときは束を2つに分けて投げると、絡まりにくく、より遠くに届きます!
ちなみに救助者を引き上げるときですが…

船の舷の低い位置から引き上げましょう!

高いところから引き上げようとすると、画像
のように引き上げるのがとても大変です。

救助者の方への負担も大きくなってしまい
ますので、必ず低い位置から引き上げる
ようにしましょう。
今度は意識のない方を救助する方法ですが、
この場合は、毛布や敷布などの大きな布が
とても有効です。

これは2人掛かりで行います。
大きな布の向こう側の両端をロープで結び、
手前側は足で踏んで、布を救助者の下に
潜らせたら、あとは両端に結んだロープを
引っ張ってハンモックのように引き上げま
しょう。
 
こちらは心肺蘇生法の訓練です。
画像は心臓マッサージを行っているところです。

このとき、海上保安部の方から最新式の心肺蘇
生法を教えてもらいました。

従来の方法とは違って、気道の確保や人工呼吸
は必要ないそうです。
とにかく胸骨の圧迫が優先
で、胸の中心を1分間
に100回のペースで、手を胸から離さないように、
圧迫し続けましょう。
胸を押す力は、胸が5cmへこむ程度の強さで、
交代しながらでもいいので、ひたすら続けることが
大事
だそうです。
 
次にAEDを使った心肺蘇生法の訓練です。
AEDとは電気ショックを与えて心拍を正常に戻す
ための医療機器で、初めての方でも簡単に使用
できるようになっています。

機械本体には番号が書かれた3つのボタンがあ
り、1番のボタンを押すと音声でのガイドが始まり
ます。
案内に従ってパッドを右胸と左の脇腹に貼ったら
準備完了!あとは機械が勝手に電気を流すべき
かどうかを判断してくれます。
電気ショックの必要がなければ、そのまま救急隊
が到着するまで、周りの人と交代しながら胸骨の
圧迫
の心臓マッサージを続けましょう。
AEDは、心臓が痙攣している状態だと有効です。
心拍を正常に戻るまで、自動で判断して、何度も
電気を流してくれます。
もし、3〜4回電気ショックを与えてもダメな場合は
心臓マッサージを再開しましょう。

☆ワンポイント
  胸毛が濃かったり、毛深い方にはAEDが効き
  にくいです・・・(-_-;)

  そんなときは、AEDには予備のパッドが入って
  いるのでそれを使います。パッドを貼ってから、
  思いっきり剥がして毛を抜きます!
  相手は気絶しているから痛くないし、なによりも
  人命優先なので、思い切ってやりましょう!
人命救助以外にも、ロープを使った縄梯子の
作り方なども教えていただきました!

最後に、訓練が全て終了したあとは、再び海上保
安部の方からの挨拶で、閉会となります。
ここでいくつか注意事項やアドバイスをもらいまし
たが、まず救助の際は皆で協力しましょう。
そして遠くまで行くときはなるべく2艇以上で出航
しましょう。

単独で行く場合でも、なるべく周囲の船と連絡を
とりあう
ようにしましょう。
当たり前のことのように思えますが、とても大事な
ことだと思います。
総勢23名の方々が参加しましたが、そのうち一映マリーナからの参加者は
3名だけという寂しい結果になってしまいました・・・
今回の救難訓練ですが、いざというとき役に立つような、とてもためになる
内容ですごく有意義な訓練だったので、余計に残念に思います。
やっぱりこういった訓練は、年に1度くらいレクチャーを受けた方がいいな、と
身を以って実感しました。
海上保安部の方々には、訓練のためとはいえ赤潮などの影響で汚れた海に
落ちていただき、文字通り体を張って教えてくださってありがとうございました!